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さ-そ 椎名林檎

椎名林檎「勝訴ストリップ」-勝ち取った独自性と実績-

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勝訴ストリップ
出典: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41gDiu%2BOWOL._SX355_.jpg

勝訴ストリップ」は、2000年3月にリリースされた「椎名林檎」の2ndアルバムです。

前作の「無罪モラトリアム」で衝撃的かつ革新的な印象をリスナーに与えた椎名林檎ですが、今回の勝訴ストリップはどういった世界観を魅せてくれるのか、紹介したいと思います。

・ジャンル「椎名林檎」を確立した名作

勝訴ストリップでは、デビューから際立っていた椎名林檎らしさがより色濃く表現されています。

勝訴ストリップの世界観は、衝動的で、エネルギッシュで、艶やかで、どこか懐かしい、今でこそ定着した椎名林檎の一連のイメージを決定付けたアルバムです。

 

その強すぎると言っても良い勝訴ストリップの個性は、リスナーに拒否されるどころか瞬く間にファンを獲得していき、結果的に200万枚を超える大ヒットアルバムになりました。

また、勝訴ストリップは、オリコン週間アルバムチャートで自身初となる1位を記録するだけでなく、この年の日本ゴールドディスク大賞ではロック・アルバム・オブ・ザ・イヤー、日本レコード大賞ではベストアルバム賞を受賞し、見事に名実共に勝訴となります。

 

アルバムの方向性としては、バンドサウンドに軸を置きつつも打ち込みや効果音もしっかり使い、椎名林檎を余すことなく表現し切っています。

2000年当時は今よりもバンドサウンドの人気もあり、コアな男性リスナーだけでなく女性リスナーにも受け入れられたことが、後の椎名林檎の活躍に繋がっていきます。

・「勝訴ストリップ」の始まりは「虚言症」から

ここから、勝訴ストリップの中身について触れていきたいと思います。

勝訴ストリップの1曲目には、「虚言症」というこれまた強烈なタイトルの楽曲を持ってきました。

ミディアムテンポのバンドサウンドで、ファズを使ったようなレトロでノイジーなギターの音と、淡々と刻まれるリズムが心地良い楽曲になっています。

 

2曲目には、打ち込みサウンドが主体の「浴室」を挟み、次の3曲目に歪んだベースで始まる「弁解ドビュッシー」で、再びレトロなバンドサウンドへと戻ってきます。

 

このアルバムでベースを弾いているのは、椎名林檎のプロデューサーでもある「亀田誠治」です。

亀田誠治のこの当時のベースサウンドは歪みを加えてブリブリした独特の音でした。

この独特のベースサウンドもまた、椎名林檎の世界観と絶妙にマッチしていてカッコ良いですね。

 

4曲目には先行シングルとして大ヒットした「ギブス」が登場します。


淡々とした打ち込みから、サビで一転して激しいバンドサウンドへと変化するギャップがたまりませんね。

この楽曲のMVで椎名林檎が弾いている「リッケンバッカー620」というギターも、当時ちょっと人気になりました。
(癖が強いギターなので大人気には至りませんでした。)

・「罪と罰」とシンメトリー

折り返しとなる7曲目には、先行シングルとなった「罪と罰」が配置されています。

なぜここで「配置」という表現を使ったかと言いますと、勝訴ストリップにはあるカラクリが隠されているからです。

 

勝訴ストリップのアルバムリストは、

1. 「虚言症」
2. 「浴室」
3. 「弁解ドビュッシー」
4. 「ギブス」
5. 「闇に降る雨」
6. 「アイデンティティ」

7. 「罪と罰」

8. 「ストイシズム」
9. 「月に負け犬」
10. 「サカナ」
11. 「病床パブリック」
12. 「本能」
13. 「依存症」

となっていて、7曲目の「罪と罰」を中心にしてタイトルがシンメトリーとなるように曲順が決められました。

勝訴ストリップの発売以降も、椎名林檎が携わる作品にはシンメトリーの要素が度々登場することになります。

 

話を戻して、「罪と罰」は、椎名林檎が化膿性炎症を発症して自宅で療養していた1999年に誕生しました。

この曲は当初から
「ギターは浅井さん(ex.BLANKEY JET CITY)にお願いしたい」
椎名林檎が言っていて、椎名林檎自ら浅井健一本人に直接オファーをしたところ、快く承諾されてゲスト参加が実現しました。

浅井健一の歯切れのよいギターサウンドと椎名林檎の巻き舌が合っていて、素晴らしい世界観になっています。

 

・「勝訴ストリップ」のまとめ

後半戦も椎名林檎らしさは続き、12曲目にはこちらも大ヒットしたシングルの「本能」、そしてアルバムのラストは「依存症」で締めくくっています。


このナース服の衣装も強く印象に残りました。

勝訴ストリップは、椎名林檎本人が自分を表現しやすいようにとの周りのスタッフの配慮もあり、名作と呼ぶに相応しい作品になりました。

15年以上経った今聴いても、勝訴ストリップは全く色褪せてないアルバムです。

-さ-そ, 椎名林檎
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